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コルベ・マリー阿部哲朗の告白録(5)

【 イスカリオテのユダ (2)】

 さっき「フー・イズ・ボス・イシュー(だれがボスなのか?)」というテーマをあげたけど、ルシフェルも、イスカリオテのユダも、「自分自身だけがボス」なんだね。ぼくも同様だ。遺伝的な気質で、「人間に対する絶対的な不信感」という深い「情緒の傷」を負っていて、自分以外の誰も「目上」「長上」、つまり「ボス」としては認めない。絶対に認めない。自分が「王様」になってしまうんだね。

 地獄の住人は、みんな「自分自身だけがボス」なんだ。ただ力関係があるから、強いものに強制されて、しぶしぶ従っている。でも他の誰も愛してなんかいない。だから地獄には、他のすべてに対する憎しみ、怒り、ねたみしか存在していない。お互いを傷つけあい、想像を絶する拷問が、いっときの休みもなく、永遠に続く。

 この正反対が、愛そのものである神様、天国・煉獄・古聖所(リンボウ)の住人たちなんだ。天国ではかぎりなく、永遠に、「神と隣人を愛する」。神様の愛は無限だから、お互いを愛しあう「愛」は、無限に増大していく。天国は、想像を絶するしあわせなところなんだ。

 イエズスは、「天の国でいちばんえらいものになりたければ、しもべのしもべになりなさい」と教えているんだ。つまり、「フー・イズ・ボス(だれがボスなのか?)」という問いかけに対して、「自分自身がボス」なんてことはありえないんだね。

 「殺人」「強姦」「盗み」は、だれの目にもはっきりとわかる「悪」だよね。目に見えて、隣人を不幸におとしいれるから。でも、これらの諸悪の根源は、「傲慢(ごうまん)」なんだ。「傲慢」は隠すことができる。内的なものだから、「礼儀作法」「美しい服」「地位」「名誉」で表面をかざり、「善い人」を演じきることができる。

 最悪のケースは、「従順」「清貧」「貞潔」の誓願を守り、自他ともにみとめる、「清く、正しく、美しい」、「聖人のような人」を演じきってしまう場合だ。これが、ぼくの本当の姿なんだ(同宿だから誓願はたててないし、聖人には見えないけどね)。善意にみちてはいるけど、「自分が悪い」なんて、これっぽっちも思ってないから、他人と神様からの忠告・助言なんて、まったく耳にはいらない。

 「自分が善人だ」と信じきっている人間ほど、隣人にとってはた迷惑な存在はないだろう。ジャン・マリー神父と共同生活をはじめて約12年、ジャン・マリーは、「コルベ・マリーには、いつも泣かされています、うぅー、うぅー(泣)」って言いつづけてるんだけど、ぼくは、つい最近まで、「冗談だろ!(笑)」って、本当に笑って聞き流していたんだ。(T_T)/~~~

 みんなもいっているように、リトル・ペブル同宿会は「こんなぼくたち」のために、マリアママがプレゼントしてくれた「ぼくたちの居場所」だ。でも、創立後の約2年間、ぼくは人ごとのように思ってた。マリアママから告白録を書くようにリクエストされていて、ブログとか用意したけど、どうしても書けなかった。書くと、無意識のうちに他人を非難し、相対的に自分をもちあげてしまい、「何かへんだ……」と、筆がすすまなかった。

 そりゃそうだね。ぼくは、だれよりも「傲慢(ごうまん)」だから、ほんとうに「自分が悪い」なんて、これっぽっちも思ってないんだから、書けるわけないよ。

 罪のなかで、最悪の効果をもたらすのが「傲慢」なんだ。善悪を正しく認識するための「霊魂の目」がゆがんでしまって、「自分こそ神様に選ばれたもの」「私は、あれこれの掟を守っているから、清く正しく美しい」「私こそ天国にはいるにふさわしい」と信じきって、他のすべての人々を無意識のうちに軽蔑のまなざしでみてしまう。

 善行をいっぱいして、まわりの人々から「すごいわねぇ」「えらいわねぇ」ともちあげられて、内心「鼻たっかだか(はぁと)!」なんだけど、そこに本当の愛はいつのまにか消滅してしまっている。

 これが、ぼくの本当の姿なんだ。ぼくは、リトル・ペブル同宿会の同宿の中で、いちばんたちの悪い性質をもった、「傲慢(ごうまん)」のチャンピオンだよ。でもね、イエズスがいちばんイスカリオテのユダを愛し、お世話したように、マリアママは、ぼくにリトル・ペブル同宿会をプレゼントしてくれたんだよ。

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